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レーシックの安全性と満足度のエビデンス

写真1  先日の消費者庁からの「4割に不具合」という発表を聞いて、大変驚きました。世界の流れの中で、レーシックはもっとも安全なエレクティブ・サージェリーだといわれています。NASAや空軍でも認められているのに4割も不具合だというのは問題ですから、今回はレーシックというものを正しくご理解いただくためにこのような会を開きました。
レーシックとは何か。近視、乱視、遠視に対しては、コンタクトレンズとメガネという2つが視力矯正の方法でしたが、第3の治療法があらわれたと考えてもらっていいと思います。私の娘に対しても、20歳になったときにレーシックの手術をしました。(ビデオ紹介)
 今のレーシックの手術では、フェムトセカンドレーザーというレーザーを用いて角膜に110~120㎛(マイクロメートル)程度の厚さのフラップを作ります。このフラップを持ち上げて、角膜実質の部分をコールドレーザーを用いて微細に削り、カーブを変えることで屈折を矯正します。その後フラップを元に戻します。それが、現在のレーシックの方法です。
手術が終わった瞬間から見えるようになるのがレーシックの良いところで、それまで0.05だった娘の視力は、その場で1.5になりました。目の乾きについて聞いているのは、レーシックの後一時的にドライアイになることが多いからです。患者様には皆さんに必ず聞いています。ドライアイの症状が出た場合は、きちんとそれに対処することで、1か月から3か月ほどで落ち着いてきます。
 今回の発表で驚いたのは、発表の翌日、家に帰ると娘が「レーシックって本当は危ない手術だったんじゃない」と言ったこと。もちろん、私は娘に対して、「万が一でも危ない手術だったらするはずがない」と反論しましたが、大変ショックでした。私は、娘と息子、甥や姪、自分の教室の准教授や講師など、レーシックを希望される人で適応のある人には、手術を行っています。私だけではなく、今、この治療を行う角膜専門医の施設も増えてきています。このように言われてしまうというのは、報道に何か問題があるのではないか。
 レーシックは安全だといっても、そこには安全を守るためのルールがあります。まずは、誰でも手術を受けられるわけではなく、受けられるかどうかの適応を正確に診断することが大事です。その他にも、安全を確保するための細かい技術やルールがあります。手術ですから当然のことです。レーシックについては飛行機に例えて話すことが多いのですが、ジェット機では月には行けないし、直行でリオデジャネイロまでは行けません。大雪や台風でも飛べませんし、安全が保障できる中で飛んでこそ現代の科学技術は活かされます。
 適応でない、手術をすべきでない人というのは、円錐角膜などの病気、角膜の厚みが十分でない、安全域を超える強度近視、強度乱視などといった場合には手術は行いません。また、ですから、私が治療を行っている南青山アイクリニックでは、レーシックを希望してきた人の内20%は手術を受けられません。何らかの不適応になるからです。
 世界各国の309篇のレーシックに関する論文を集めて徹底的に解析したメタ解析による報告では、その他のエレクティブ・サージェリーと比較して大変満足度が高い手術であり、不可逆的で重篤な問題がなく安全であると報告されています。日本では、我々のグループで5年間のデータを発表しています。このデータでは、裸眼で0.08だった視力が、5年間ほぼ1.0で安定しています。5年経つとほんの少し下がりますが、ほとんど安定といえます。角膜内皮細胞数は加齢とともに減っていきますが、正常なエイジングと同程度で安定していますし、満足度も大変高いです。

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 アメリカでは、空軍、NASAで認められています。これについては、この後スティーブ・シャルホーン先生にお話してもらいますが、特にNASAで認められるためには大変な裏付けデータが必要ですから、この治療の有効性と安全性がよくわかってもらえると思います。
 ちなみに、我々は角膜移植後の不正乱視に対してもレーシックを用いています。これにより患者様のQOLは格段に上がります。
 数年前、銀座眼科で考えられないような感染症が起きたときにも、レーシックは危ない手術だという間違った報道がされました。そこで私たちは、これではいけないと思い、お互いに信頼できるドクターによる安心LASIKネットワークを設立しました。レーシックに関する詳しい情報などはホームページご参照いただきたいと思いますが、このサイトではレーシックを受ける際に患者様に確認してほしい「10のチェックリスト」を掲載しています。手術を受ける前にぜひこのチェックリストを確認してほしいと思います。このうち特に大事なのが、「術後に問題があった場合には、最後まできちんと治療をすることが期待できる施設ですか?」というポイントです。そのような施設でレーシックを受けていただければ「レーシック難民」などと呼ばれる人が生まれるはずがないのです。


レーシックを受けた医師、国会議員、弁護士として安全に関する報道を考える

写真2  私は元々は消化器外科医で、その後弁護士になり、現在は参議院議員をしております。私は15年前、36歳のときに坪田先生のもとでレーシックを受けました。当時の視力は0.08程度でしたが、次の日には2.0近くなったと記憶しております。世界が違って見えたという印象です。手術の際、左右を間違えないでほしいと何度も確認したことも覚えています。
 私はドライアイでもあったのですが、当時はテレビによく出ていたものですから、痛い思いをしてコンタクトレンズをしておりました。しかし、そんな痛い思いをするのはもうイヤだと、思い切ってレーシックをしました。そのあまりのクオリティの高さに、1カ月後には内科医の妻も行いましたが、外科の医者から見ても安全でクオリティの高い手術だと言えます。
 手術から15年経ち、若干視力は下がりましたが1.0以上を維持しており、政治活動や講義など、まったく問題なく裸眼で生活しています。まるで生まれ変わったようでした。
 当時働いていた法律事務所で、「現代においてレーシックをしないのはコンピュータを使わないのと同じだ!」と説いたほどです。そのため、次の日からみんなに紹介してほしいと相次いで言われ、順番にお願いしていきました。しかし、残念ながらできないといわれて帰ってきた人が確かに20%くらいいました。それは先ほど坪田先生がお話になった通りです。手術である以上適応があります。それを無視すると、満足できない結果になるのでしょう。
 今回の消費者庁の通知で問題なのは、ひとつに、消費者庁がどうしてレーシックだけをターゲットにしたのかという点です。美容整形や矯正歯科など宣伝をたくさんしていて事故が起こっているものは多いです。ガン治療や遺伝子治療でも規制がないところで山ほど宣伝を出し、事故も起こっているというのに、なぜかレーシックについてのみこのような通知を出したのか。その点は法律家としても疑問があります。
 そこで消費者庁を問い正しました。たとえば、「過矯正による遠視が起き、それに伴って頭痛や吐き気を生じており、日常生活に支障をきたしている」と書かれていますが、それが真実かどうかもわからない。因果関係も何も明らかでなく、「アンケートにそう書かれていました」というだけです。このアンケート調査では「4割の人に不具合が生じている」と書いていますが、レーシックを受けていない人でも起こりうる症状がたくさんあるなど、極めて非科学的です。本来であれば、非施術者との比較が必要ですが、それもありません。この年になって、働いている人に「疲れ目はありませんか」と聞けば、あると答えるのが当然です。そういうデータを出しているのが、まず信じられません。
 そういったことを問い詰めたところ、謝罪して帰っていきましたし、その後坪田先生のところにも謝罪に行かれたようですが、消費者庁は非科学的報道であったことを認めるべきだと思っています。今回は、安心LASIKネットワークの先生方に、レーシックの効用と注意すべき点について、しっかりと啓発していただければと考えています。


眼科医も受けているレーシック手術

写真3  私事で恐縮ですが、私は14年前にレーシックを受けて以来、メガネやコンタクトレンズの不要なすばらしい「視生活」を送らせてもらっています。大部分の患者さんは同様の体験をされています。今回のように、レーシックの問題点ばかりをフォーカスして大きく報道することで、レーシックのすばらしい点が見えなくなってしまうことも問題だと思っています。また、本来レーシックを受けられる人も手術をためらってしまい、すばらしい体験を享受できない、ハッピーになれないということも大きな問題です。
もちろん、まったく問題がないわけではありませんから、より多数例のバイアスのない症例を対象としたアンケートなりを実施して、レーシックについて興味のある方に対して正しい情報を発信していただきたいと思います。

【坪田先生によるシャルホーン氏紹介】
 スティーブは眼科医でありながらトップガンという人です。空軍がレーシックを認可したのは彼の働きによるもので、レーシックの認可のためにものすごい研究をして、空軍を納得させました。NASAで認められるようになったのも、スティーブがやったことです。アメリカ空軍・海軍・陸軍においては、レーシックは軍人の生存確率を高めるためのもの、ヘルメットと同じカテゴリーとして考えられており、レーシックを無料で受けることができます。実際、日本では東日本大震災のときに自衛隊の方などがコンタクトレンズを洗う水がなくて困ったという話がありました。その一番最初の流れを作ったのがスティーブです。


NASA・アメリカ軍パイロットに認められたレーシック

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 本日はお招きいただきありがとうございます。日本でレーシックに関して事実とかけはなれたネガティブな報道がされ大変残念に思います。私の経験からレーシックの安全性についてお話しさせていただければと思います。私は海軍のパイロットでした。そして眼科医です。
 まずは、NASAでどのようにレーシックが認められたか、大変なストーリーですが、お話したいと思います。宇宙飛行士でもメガネやコンタクトレンズをする必要があります。宇宙飛行士はかつてコンタクトレンズを使っていましたが、目が乾燥したとしても、無重力ではうまく点眼ができません。どのようにするかというと、1滴だけ空間に浮かせるようにしておいて、目を開けたままぶつけるようにします。でも、これはなかなかうまくいきません。その結果、コンタクトレンズを使っていた2人の宇宙飛行士が感染症にかかり、そのうちの1人はミッションを途中で中止にしなければならないほど重篤なものでした。そのときにコンタクトレンズの感染症が大きな問題だと気づき、ひとつのオプションとしてレーシックを考えようと思いました。
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 日本の報道ではレーシックの問題点だけが強調されていますが、レーシックの問題点だけを見るのではなく、コンタクトレンズと比較してどうかということも考える必要があります。先ほどお話しました例のとおり、レーシックはコンタクトレンズより安全と言えます。ここからスタートしたいと考えます。
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 私はNASAの眼科のコンサルタントをしていますので、NASAのことはよくわかるのです。「レーシックをした宇宙飛行士は無重力状態で大丈夫なのか」。私はNASAに答える必要がありました。そのために倫理委員会を経た45の臨床研究とFDAの承認を受けた15の研究を15年かけて行い、膨大なデータを用いて安全性を証明しています。
 最初は、レーシックの前のテクノロジーにあたるPRKで安全性を証明する研究を行いました。700人以上のパイロットを対象に、飛行機に乗せて何回も着陸・離陸、さらに実際にフライトを飛んでもらうという研究です。全ての者が問題なく離着陸できました。次に、PRKを受けた500人の学生を対象に、訓練してパイロットに育てました。これら2つのスタディはアメリカにおける視力矯正のスタンダードを変えることになりました。
 PRKはとても良い治療ですが、リカバリーに3カ月かかるという問題点がありました。しかも、パイロットは1週間に1回飛ばないと資格を取り直さなければなりません。そこで新しい術式のレーシックは術後すぐに視力が出るため、この問題はクリアになります。あとは、PRKと同等の視力の質を担保できるかどうかが問題でした。
 特に夜間は視覚の質が要求されます。過去10数年の間に大幅にレーシックの技術は進歩しました。そこで、夜間運転時におけるレーシックの視覚の質について研究したものを「Ophthalmology」という眼科でもっとも権威のある雑誌に発表しました。従来のテクノロジー(1990年代の初期のレーシック)では夜間の視覚はメガネに比べてややパフォーマンスが落ちるのですが、モダンレーシック(現在のレーシック)ではメガネより運転しやすいということがわかりました。
 昔はパイロットにレーシックはできませんでした。夜間の視覚の質が良くなかったからです。しかし、この論文によって、現在のレーシックは、視覚の質はむしろ良くなるということが証明され、世界全体の流れは変わりました。
 最初の空軍パイロットは私が執刀しましたが、1週間以内にパイロットとして仕事復帰しました。海軍において、レーシックは安全で視覚の質が高いという発表をしています。ちなみに、私も妻や家族、たくさんの眼科医の友人に対してレーシックをしています。NASAでもこうした数々のデータを見て宇宙飛行士のレーシックを認めるべきだという議論が行われ、レーシックを受けた宇宙飛行士が実際に宇宙に行き、しっかりパフォーマンスできたことも最近発表されています。
 レーシックは安全で効果的な手術です。選択的に行われる手術でもっとも研究が進んでおり、ピアレビューの学術誌にも多く発表されています。現代のレーシックはさらに安全性が増しており、効果的です。だからこそ、もっとも視覚の質を要求されるようなパイロットや宇宙飛行士、スポーツ選手、消防士などがレーシックを受けています。
 レーシックだけを見て問題点を指摘するのではなく、コンタクトレンズなどのほかの治療法と比べて、一つのオプションとして物事を捉えるべきだと考えます。

【山田昌和先生(杏林大学医学部杏林アイセンター教授)コメント】
 すばらしいデータを見せていただきました。たとえば、1万人が1年間コンタクトレンズをすると、10~20人が感染性角膜炎にかかり、細菌によって角膜に感染症が起きて、失明の危機に陥ります。1万人が年間に10~20人では少ないように見えますが、コンタクトレンズは何年も継続して使いますから10年、20年と経てば1%、2%とリスクが高くなります。そのようなリスクに関していえば、レーシックの場合は手術のときの合併症が確かにありますけれど、それに比べてコンタクトレンズの場合はリスクが毎日継続していきます。そういったことも含めて総合的に評価していく必要があると思います。

レーシックの安全性と効果のエビデンス

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坪田 日本では東日本大震災のときに手を洗う水もない状況で自衛隊員がコンタクトレンズを使用できないとか、メガネの上にゴーグルをつけるのが大変という問題がありました。パイロットになれないという問題もあります。これは国としても考えるべき事案だと思いますが、いかがでしょうか?

古川 関東でも直下型地震が想定されていますから、緊急時の目の問題をどうするか、震災のときの経験と先生方のご意見を踏まえて今後鋭意取り組んでいくべき課題と認識しています。

坪田 今回の報道ですごく驚いたのは、世界にも繋がっているということ。日本で変なことが起きているぞと、僕のところにもスティーブをはじめ海外のいろんな人から『カズオ、どうなっているのか』と連絡が来まして、困っているんだよと答えました。スティーブはあのときどのように思いましたか?

スティーブ・シャルホーン(以下SS) すごくバイアスのかかった報道がされたと思ったし、内容を詳しく見たらとその通りでした。レーシックはもっとも安全だと思われているし、実際にその通りです。たとえば、飛行機は遠くに行く上でもっとも安全な交通機関ですが、1つでも事故があると危険な乗り物だという印象を与えてしまいます。それは正しい理解ではありません。今回の報道も社会に対してマイナスです。本来レーシックによって新しい仕事につくチャンスや生産性の向上を奪うことにもなりかねません。間違った報道に対して日本社会もリアクションするべきです。そうしないとレーシックのポテンシャルを正しく理解されず、大きな社会的損失になります。レーシックは他の手術とくらべてもっとも安全で、リスクが低く、リスクのコントロールも可能です。

古川 車や飛行機と例えていましたが、法律学的には「許された危険」というものがあります。医学的に見ても、誰もが飲んだことのある薬には必ず副作用があり、抗生物質や解熱生鎮痛剤ではショックで亡くなることもあります。それでいてなぜ消費者庁が殊更レーシックの危険性を取り上げたのかが解せない感じがします。

山田 レーシックは手術なのですからリスクがないわけではありませんが、リスクを最小限にする努力をしているというのが印象的でした。適応をきちんと守ること、合併症についての説明を事前にすること、どんな場合でもきちんとフォローアップをすることが大切で、患者さんの不満や問題点に対応する施設がレーシックをするべきだと思います。安心LASIKネットワークはそういう施設の集まりだと私は信じています。

質疑応答

写真9 Q
合併症について。軽いものを含めても術後合併症が起きる割合、そのうち治療しても治らない割合について教えてください。

SS もっとも重篤な合併症が感染症で、8000人に1例。交通事故で亡くなるのが1万人に1例なので、だいたい同じくらいといえます。
坪田 ただし感染症は8000人に1例起きたとしても、きちんとフォローすれば重篤になりません。軽い合併症からということでしたので私のケースをお話すると、南青山アイクリニックでは数万人の治療をしてきましたが、感染症についてはゼロです。ただし、ドライアイは3割、手術直後、だいたい翌日朝までは痛みがあったり、ゴロゴロするなどはすべてにあります。こういうものまで術後の不具合の4割に含められるなら、ゆがんだ報道だと思います。手術で切るのですから、いくら痛くないといっても麻酔が切れれば違和感もあります。しかし、パーマネントに問題になる例はほとんどありません。具体的には南青山アイクリニックの戸田郁子先生が論文で発表していますが、たとえば1%程度の人はドライアイが3~6カ月程度遷延ことがあります。7%の人には過矯正や低矯正による追加の手術を行いますし、どれもきちんとケアすれば機能は戻ります。だからこそ、患者様はもちろん、家族にも友人の眼科医にもすることができるし、プロスポーツ選手や夜間に運転をされる方など、視覚の質を問われる職業の人に対しても行えます。
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Q
消費者庁の調査が科学的ではないというのはその通りだと思いますが、リスク説明や広告の問題も別に存在するのではないでしょうか。

SS それは大変大切な問題です。患者さんは手術の前にきちんと理解して知っておく必要があります。
坪田
 私も説明はとても重要だと思います。うちのクリニックでは、手術は10分程度ですが、検査と説明で2時間以上かかります。むしろそちらのほうが大事だと考えています。患者さんの中にレーシックさえすれば人生が変わるような気持ちで来るような人がいれば、私たちは勧めません。それは過度の期待です。シャルホーン先生は「人生が変わる手術」だと言っていて、その通りだと思いますが、すべてを良くする魔法の手術ではないということは理解しておいてほしいと思います。山田先生もレーシックの問題例を診ていると思いますが、いかがですか?
山田 患者さんの中には、レーシックをするつもりではなかったのにレーシックになった、あるいはレーシックに行ったのに白内障の手術になったという人もいまして、そういう患者さんはよくわからないで手術を受けて後悔はているケースがみられます。それは医療機関側の問題もありますが、患者さん自身もよく説明を受けて納得してから手術を受けたほうがいいのではないかと思うことはあります。
坪田
 患者さんもしっかり理解するというのはとても重要で、大きな枠組みでは医療リテラシーの問題だと思います。一生に関わる手術を受けるときに、お金を出して座っているだけでなく、どういう治療なのかしっかりと理解して受ける。この問題はレーシックだけでなく、これから様々な医療テクノロジーが進歩して再生医療などが進めばさらに必要になりますので、マスコミの皆さんには啓発活動や国民の皆さんが幸せになれる報道をお願いします。ただ、そういった医療リテラシーと技術の問題を同一視してダメだと殺してしまうのではなく、技術として認めることも大切です。
吉野 当院もレーシックをしていて、レーシック難民というような方がたくさん受診してきます。特徴としては、術後トラブルが起きているのは限られた施設に多いことです。その患者さんにどうして手術した先生に見てもらわなかったのか聞いてみると、誰が主治医かわからない、話を聞いてくれない、閉院してしまった、などというのです。それでは難民になるのも当然です。患者さんも安易に受けないことも大事だと思います。
坪田 安心LASIKネットワークでは、そういった患者様の術後のフォローをする特殊外来をやろうという動きもあります。

Q
今お話になった問題が集中している特定の医療機関は安心LASIKネットワークには入っていないはずですが、なぜ入っていないのでしょうか。

坪田 安心LASIKネットワークはドクター同士の信頼のもと、医者同士による顔の見えるネットワークとして設立しまして、1施設でも反対や疑問があれば入会申し込みがあっても入れないルールになっています。実際に、入れなかった施設もあります。消費者庁の人も、謝罪に来た際に、一定の施設のみ問題があることは理解されていて、しかしその施設だけを問題にすることは難しいと話されていました。

Q
特定の施設が危険なら、業界としてそういった施設を告発しないのでしょうか。アメリカでは同様の例はあるのでしょうか。

古川 消費者庁は法令に抵触する部分もあるとしていますが、公務員にはそういった問題を摘発する義務があります。業界以前に法に抵触しているなら取り締まるのが役所の仕事で、それでいて放置しているのですから、そちらのほうが問題です。まずその点を報道して欲しいと思います。民間の話になってしまうのは、筋としておかしいのです。
SS アメリカではそのような問題はあまり聞きません。とにかく、大きな視野を常に失わないでほしい。どのクリニックがいい悪いというより、レーシックは安全で確実なもので、これまでに2500万人が受けているという事実を忘れないでください。
坪田 私もその意見に同意です。高い施設と安い施設で違いはあるかもしれないけれど、レーシックという技術の安全性は変わらないと考えています。では、最後に中立的な立場でお越しいただいた山田先生に締めていただきたいと思います。
山田 本日はありがとうございました。施設の問題については、メガネ屋さん選びと同じだと思っています。自分のお子さんのメガネを作るとなったときに、値段だけで選びますか。お子さんのメガネを作る場合、調整や作製も難しいです。その後の調整も必要になりますし、それでも値段で選ぶでしょうか。安かろう悪かろうではなく、クオリティで選ぶのではないかと思います。それはレーシックも同じはすですが、一方でレーシックが保険適用でないのという問題もあるでしょう。今回は、私も皆さんと一緒にレーシックについて勉強させていただき、非常に有意義でした。